読書の備忘録

天然工房・林拓郎が何を読んだか、どうだったか、忘れないように記録します。
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プラネタリウムのふたご/いしいしんじ
童話のような世界が独特のいしいしんじ。
暗く、静かで、魅力あふれる一冊です。

あらすじ
だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの世界になってしまう。ーー星の見えない村のプラネタリウムで拾われ、彗星にちなんで名付けられたふたご。ひとりは手品師に、ひとりは星の語り部になった。おのおのの運命に従い彼らが果たした役割とは? こころの救済と絶望を巧まず描いた長編小説。

テンペルタットル彗星から名前をもらったふたご、テンペルとタットル。二人はそれぞれの道を歩き、
それぞれの希望と絶望を見つける。
派手さはありません。スカッとするお話でもありません。それでも、この小説を読んだ後は景色がくっきり見えるような、澄んだ気持ちになれる本です。

人間には皆だまされる才能がある。ぜひこの小説にだまされてみてください。


プラネタリウムのふたご (講談社文庫)プラネタリウムのふたご (講談社文庫)
(2006/10/14)
いしい しんじ

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臨死!江古田ちゃん/瀧波 ユカリ
江古田近隣に住んでいてこの漫画を読まないなんてありえない。

あらすじ
街角で、酒場で、仕事場で、あなたの隣に猛毒の牙を持つ女性がいるぞ。男と女のこの世界で生き残りたければ、これを読んだ方がいい。
「沈黙の艦隊」のかわぐちかいじ氏も大激賞!!
「時代はエビちゃんOLから江古田ちゃん裸族へ!」ひうらさとる
「とりあえずお姉ちゃんが心配です!」ジョージ朝倉
女性読者の圧倒的支持を誇る超絶4コマ!(アマゾンより)

江古田に住む江古田ちゃんという24歳女性の日常を4コマにしたものです。
もうね…めっちゃ面白い。
江古田ちゃんは家では基本、全裸です。洗濯物を増やさないためです。
必然的に漫画の中でもほぼ全裸なので、それが嫌な方は読めないと思います。

本当は女性が読んだほうが面白いんだろうな。
でも男性も読むべき。いかに自分たちが勘違いしながら女性に接しているかということを思い知らされます(笑)


臨死!! 江古田ちゃん 1 (アフタヌーンKC)臨死!! 江古田ちゃん 1 (アフタヌーンKC)
(2006/04/21)
瀧波 ユカリ

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好き好き大好き超愛してる。/舞城王太郎
ずっと気になっていた舞城王太郎。
ずいぶん前に「九十九十九(つくもじゅうく)」が読めなくて苦しんだ舞城王太郎。やっと読めたぜ。
いやーすごいす。

あらすじ
愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。

読み始めは面喰いました。な、なんだこれは!?わけわからん!と思いました。
なんというか、読むリズムがわからなかったのです。
あまりに読みづらくて途中から音読してみたらとたんに意味がわかり始めました。
あらすじの書き出しでも、そして本文の冒頭でも「愛は祈りだ」と書いている。
たぶんこれはお経に近い小説だと思う。急に盛り上がることもなく、かといってリズムが落ちるところもなく、
言葉が一定のリズムで続いていくのです。すごく軽くて愛らしいお経。だからこれは祈りの小説なのかなと。

説明するのは難しいです。でもこの小説自体はとってもわかりやすいです。ものすごく単純なことを言っています。心地よくたんたんと、包み込まれるような小説。
よかったら音読してみてください。

好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)
(2008/06/13)
舞城 王太郎

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アンダンテ・モッツァレラ・チーズ/藤谷治
僕が本屋をやっていた時に発掘した一冊。超オススメ。

あらすじ
「エッフェル塔の先端にスカートのお尻を引っかけて宙ぶらりんになったままトランペットを吹いている花嫁さん」など全身不思議な洋ものタトゥーだらけの由果のまわりには、一筋縄ではいかない同じ会社の仲間たちが集まっていた。恋人の博覧強記男・健次、下北沢路上美形弾き語り青年・京一、彼を好きな謎のお金持ち令嬢・千石さん、ハードボイルドで映画おたくな浩一郎と共にみんなでどれだけバカで笑える話ができるかに命をかけて日々を過ごしていた。しかし、タトゥー・フェチの野茂美津夫部長の策略が引き金になって、事態は思わぬ展開を迎えることに―。

つらい時、苦しい時に力をくれる小説です。
嘲笑でも、失笑でも、苦笑でもない、爆笑することの楽しさ、大切さ。
それだけを追い求める登場人物たちが素敵過ぎ。

しかしただのおバカ小説と見くびるなかれ。
最後はビリー・ホリデイの音楽と共に、深い感動を与えてくれます。
普通の本屋では置いていないと思います。大きめの書店か、アマゾンをご活用ください。

アンダンテ・モッツァレラ・チーズ (小学館文庫)アンダンテ・モッツァレラ・チーズ (小学館文庫)
(2007/09/06)
藤谷 治

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余談ですが、
この本が文庫新刊で出た時、僕が働く店には20冊配本されてきました。20冊というと最低ラインの配本数です。これは売れないよね、という数。
しかし僕がこの本を読んでから、200冊追加注文を出しました。
小学館の担当の方が驚いて、それはちょっと…と出し渋り、絶対に売りますから!という僕の言葉を聞きしぶしぶ出してくれました。そして200冊売れたら焼き肉に連れてってくれるという約束をしてくれました。

担当だった●●さん…売りましたよ。まだ焼き肉のお話が来てませんが…
魍魎の匣/京極夏彦
今まで僕が読んだ本の中でも、衝撃度では1,2を争う一冊。
「姑獲鳥の夏」を読んだ時はそこまで衝撃なかったけど、これは…すごいよ。
本気で京極夏彦という人は頭がおかしいと思った。

あらすじ
匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物―箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!?日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。

あらすじだけ読むとすごく陰惨で奇天烈な感じがしますが、大丈夫です。読むともっと奇天烈です(笑)
しかし拝み屋である京極堂が、その奇天烈な物語を一つ一つ解きほぐし、「この世には、不思議なことなど何もないのだよ」と言われると納得してしまうから不思議です。
悲惨な、悲しい事件が日々起こる今だからこそ、この中で京極堂が解明する「殺人の動機」というものの曖昧さ、意味を無理やりつけようとすることの無意味さは大切ではないかと。

分厚さに負けずにぜひ読んでもらいたいです。
ちなみに「姑獲鳥の夏」の続編になりますが、「姑獲鳥の夏」を読んでいなくても十分楽しめますよ。

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)
(1999/09/14)
京極 夏彦

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